けんちくってなに?
けんちくぶつって聞くと建物の事だと思う人が大半だろうと思う。そういう側面ももちろんある。
そんなことはわかっているのだがこんなページまで飛んでくれたきみたちは摩訶不思議SAMPO Worldを覗きたいわけできっとただの構造物や空っぽの箱の話を聞きたいわけではないよね。
今回のせんせーのこの授業ではけんちくなんて興味ないひとも将来このせかいをもっと面白く見たいし、したいというきみたちもみんなが立派なけんちくじんになれるように押し上げる基礎短期集中講座となっているんだ。
わっといずあーきてくちゅあ講座はこのように構成されてるよ。
けんちくってなに?
Vol 1: けんちく と しゃかい
Vol 2: けんちく と しんたい
Vol 3: けんちく と とし
SAMPOはなにをけんちくしてるの?
Vol 1: SAMPO と しゃかい
Vol 2: SAMPO と しんたい
Vol 3: SAMPO と とし
けんちくってなに?からSAMPOは何をけんちくしているの?というところまでスコッチでもロックで飲みながらKink GongやMoondogをお供に一気読みしてくれたら嬉しいな。
Vol 1: けんちくとしゃかい
まずはね”けんちく”ってなんぞやと、
色々なけんちくぶつの定義でも引用しながら説明していこうかな。
建築基準法
”土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの。”
う~ん、なんだかこれじゃあ”けんちく”の事が何も伝わらないなあ。
これじゃあ 建物=”けんちく”だって思われちゃうじゃないか。
しかもあれれ、MOCは土地に定着してないんだけど、なんだかどう見ても家だし、温かくておしゃれで楽しいよね、あれはけんちくじゃないのかな?
公園の木陰の下のベンチや昔作った秘密基地は?
じゃあもう少し視点を広げる引用をするならばきっとこの辺がちょうどいいかな。
”建築することとは、単に街や建物を設計することではない、
人々が生きているその場すべて、社会、都市、国家にいたるまでを構想し、それを眼に見えるよう組みたてることだ。”
磯崎新が丹下健三への弔辞で読んだものがこれなんだけど、うんさっきよりだいぶいいね。
そう、自然の場所に川が流れれば人は集まるし、人が集まれば家を建てて集落ができる、集落が大きくなると、街ができて文化も生まれるね、街が集まれば都市ができて、都市では社会が形成されて経済がうまれて、そして国家が生まれて法律ができるね。
それが僕たちのいる世界なんだ。
あれれハチの巣と都市は何が違うんだろう?
シゼンブツとジンコウブツはもしかしたら一緒なのかもしれないね。
ちょっと話が逸れちゃったけどけんちくするってなんだがこの世界ぜんぶ考えて組立てるなんてすごい壮大な話でびっくりしちゃうよね。
でもそんなことほんとにできるのかな?
建築家のビジネスモデル的に設計料もらうだけだからそうなんだけど、ただでさえ高い家を建築家に設計してもらうお客さんたちってすごいお金持ちだけなんじゃないかなぁ。。。
それにすごくえらいトップアーキテクトになると凄い高層の駅ビルをデザインすることができたり、みんなの税金を使ったオリンピックスタジアムのような大きな公共建築を建てることになったりするんだ!もちろん都市計画も建築家のお仕事だ!
そういえばぼくたちのまちでも2020年に東京オリンピックがあるね!建築家達の出番だ!国や社会をわっしょいしてくれ!!
でも1500億の税金を使って作られるスタジアムのおかげで地上げされた人たちや失われた文化もあるような、、、色々な下町でもオリンピックの影響でジェントリフィケーション(再開発による地区の高級化)も起きていくのかな?
渋谷にも新しくスター建築家たちによって高層ビルができたよね、あそこの上にはGoogleのオフィスが入っているみたいなんだ。
でもなんだかな、へんなジェントリフィケーションのせいでボトムの文化が失われるのはもうこりごりだよね。。
人によっては79年がファッションタウンとしての公園通りのピークだったみたいだけど、そのあとセンター街にファストフード店が増え始めて、その頃から渋谷の大衆化が始まって、90年には公園通りの通行人は2千人くらいに減るんだよね。。。
代わりにセンター街が渋谷の中心になって、ファッションタウンというよりも盛り場としてのイメージが強まり、街が汚くなっちゃったみたい。その後のバブルの時代が、渋谷の街を一変させたといっても過言ではないみたいだよ。。
地上げが進んで、ビルがどんどん建ち、昔ながらの料理屋なんかが次々に店を閉めちゃったんだって。今では驚くことに、渋谷駅周辺で自分がオーナーとして商売を営む店は2軒しかないみたい。
映画や芝居、音楽などのカルチャーの拠点であることは強みですよね。映画館や芝居小屋のほか、DJが集まるレコードショップなんかもたくさんあるでしょ。
社会学者三浦展/MIURA ATSUSHI インタビュー より抜粋
昔から何か学べたのかな?
都市計画のおかげでいい街になったのかな?
僕らは渋谷にいるカルチャーを作ってきた表には出ないDJたちが集まるDJ barやひっそりと地下でやってるJazz Barとか駅裏のおばんざいやとかすごい好きなんだけど彼らやそこに集まる人たちはそんなとこに行かないよね。
Ruby room
Bonobo
そういえばGoogleって言ったらそれに対して民間人が反応した街べるりんの話をしようかな。
自由な気風にあふれるべるりんのクロイツベルク地区は、シリコンバレーの大企業によるジェントリフィケーション計画に反対したんだ。
建設現場で、「失せろ、グーグル」と銘打った反対運動が、毎月のデモを始めたみたい。あらゆる公共の場の壁には他のポスターや落書きを覆うように、このストレートなスローガンが書かれているんだって。
「グーグルは非常に暴力的で尊大な超巨大企業で、監視社会を基盤にしたビジネスモデルを構築している。ここに拠点を設置することはクレージーで危険なことだ」。反対運動のリーダーを務めるハッカーは、ラリー・ページブランクという仮名を名乗り、怒りながらそういったみたいだよ。
ベルリンは流行に敏感な人々が集まり、アパートの価格は上がるばっかり。クロイツベルクはかつては労働者階級の街だったのに「ジェントリフィケーションで高級化されて価格上昇が加速し、すでに多くの人が追い出されている」って言ってるみたい。
そうだよね、街はそこに住んでる人達の場所だし色んな文化や友達がいてこそだもんね。
カルチャーが無い街はただのインフラだし、だだのグリッドと箱の集合体になっちゃうもんね。市民のリテラシーやアクションがすごい場所もすでに存在しているんだ、僕たちも負けないで見習っていこうね!
そんなゆめの国べるりんじゃベルクハインってクラブがあるんだけどそのクラブに入れるかどうかを判断するのはバウンサーのSven Marquardさんなんだって。黒を着て行っても白を着て行ってもIssei Miyakeでも白人、ゲイ、アジア人とか見た目のルールなんてなくて彼の独断と偏見でバイブスで決めるんだって!
こんな瞳で見つめられたらきっとドキドキしちゃうね。
Svenさんはなんでそんな事しているのかこんな風に言っているんだ。
「その根幹というのは、まずベルグハインを『安全な場所』つまり、純粋に音楽を楽しめ、時間と空間の感覚を失い楽しめる場所でなければならない。ゲイシーンから始まった数少ない『オリジナルなクラブ』として遺していかなきゃいけないだ。モデルとか、セレブとかおしゃれな人たちが集うクラブも良いけど、1時間半もいれば飽きてしまう。ベルグハインはそんかクラブなんか目指していない。目指しているのは、『摩擦』(=Friction)があり、『多種多様性』(=Diversity)があることなんだ。」
元々、政治的、あるいは社会的マイノリティの抑圧からの解放の場として、存在したクラブだもんね、商業的な進化や成功が進めど、本来起こってきた能動的なムーヴメントとしてのパーティーシーンを継承しようとする気概があるのは当たり前だよね。
関係者の中で早い人は80年代からと、25年以上もの間の社会的、政治的、経済的変化を受け入れ、そして乗り越え、守って来たみたい。それこそがカルチャーであり、世代が変われど守り、そして継承していくものなんだ。というメッセージが入場ポリシーにも現れているみたいだね。すごいや。
最近騒がれているAIはシンギュラリティ後これほどセンシティビティーが高いフィルターで人を評価してカルチャーを守ることができるのかなあ?
機械にはできなくとも建築家には是非そんな身体的で都市的なけんちくを作って社会を良くしていってほしいね!
ぐんぐんわっしょい頑張ろうね!
てなわけで
次回は!!!!
けんちく と しんたい